Bicycle−つれづれなること

ぶつかる

街の中を自転車で走っていて,この何年か,およそ1年に1度の割合で車にぶつかっている。幸い大事には至っていないが,何かいい対策はないものかと,ずっと思っている。

(1)新世紀初衝突;兇器としてのケータイ

2001年1月25日の午後,東京都港区西新橋2丁目の裏通りを自転車で走っていたところ,車にぶつけられた。私の自転車の前輪に車のバンパーがぶつかってきただけで,両者の速度も速くなかったこともあって,幸いに怪我や被害はなかった。ところがこの運転手というのが実に困ったちゃんだった。

「あっ!」と思った次の瞬間,車のフロントがガラス越しに運転手を見ると,彼の左手にはしっかりと携帯電話が握られているではないか!

衝突の後,窓ガラスやドアを叩いて,降りてくるように促しても応じようとせず,それどころか彼自身が被害者であるかのごとく偽って,そのケータイを使って110番通報しようとする始末。そこで「自分が車ぶつけた加害者やてちゃんと言わんかい!」と,110番の着信先にも聞こえるように大声で言ったら,関西弁の威力(?)も相まって,ようやっと観念するというふてぶてしさだ。

しかもこの男,医療機器販売の営業の仕事をしていると言うから,さらに驚いた。ケータイで人を危険にさらしただけでなく,犯罪者に仕立て上げようとした人間が,人を助ける機械を売っているというのは,何という矛盾だろうか。

この件で一つだけ救われた(?)のは,警察官の対応だった。もっとも「この自転車いくらしたんですか? 高かったんでしょ?」と聞いてきたことからも解るように,自転車が高そうに見えたから丁重に応対した,というものではあるが。「たかが自転車」という態度で臨む警官が少なくない中では運のいい方だろう。或いはそれ以前に現場の情況からして,明らかに自動車の運転手側に非があったと判断できるものであったことによろうか。

(2001.2.4)

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