Bicycle−つれづれなることぶつかる(3)真の加害者は?:タクシーのわがままな乗客これはもう数年前のことだ。学生時代から走り慣れた,神田川に並行する,都電面影橋停留所近くの,東京都新宿区西早稲田の新目白通りの車道の端を走っていたところ,突然前方のタクシーが左に寄りドアを開けた。こうした場合急ブレーキをかけるか,さもなくば開いた扉を閉めるかして難を逃れるのだが,いずれも間に合わず,後部座席の扉が私の膝にぶつかってきた。 運転手に事故にきづかせるべく,助手席の窓ガラスを開けさせ,乗務員証を確認した際,無線機がないことに気づいた。つまり無線配車をしない弱小会社なので,きちんと賠償するかどうかが非常に怪しいと思い,断固とした姿勢で,運転手に謝罪と賠償を要求した。運転手は,客の求めに応じて停めたところ,客が勝手にドアを開けたのだと言い訳し,客(横柄な態度のオバタリアン!)もまたそうだという。 不条理に思われるかも知れないが,自らの身勝手な行動が,人に害を及ぼしたところの客は,法的に責任を問われないのだ。こういう場合でも,運転手の後方不注意となり,こうした客を乗せたところで,既にこの運転手の運はなかったのだ。停止してすぐドアを開けたのは,料金踏み倒しを策した可能性もあるわけで,その点でもやはり彼の運はなかったといえる。 運良く近くに病院と公衆電話があり,後の処理はスムーズに行った。いち早く病院に行ったことと,車両に書いてあった電話番号を見てタクシー会社に電話して,逃げ場を奪っておいたことによる。後日謝罪と治療費を受け取った。 東京のタクシーは会社によって様々な色に塗り分けられているので,会社名だけはすぐ解ることになる。従って危険な運転をする傾向にあるものを注意しやすいというわけだ。このときは「安×タクシー」という会社であった。無線も搭載せず,車両数も多くないはずのこの会社のタクシーの事故現場を,自分でも何度も見た。さらに最近(2001年1月)に見た同社の求人広告には,「乗務員募集・月収45万円以上」とあった。広告に嘘は付き物と言われるが,この不景気の中で高収入を得るにはよほど無理か無茶をせねばならない。ということは,社名とはうらはらにかなり高い事故率だと考えられるわけで,その朱色とクリーム色の車両にはなるべく近寄らないようにしている。以前アルバイト先でタクシー運転手の経験もある方に聞いてみたところ,昔から運転が荒いことで悪名高いのは「グ×ーンキャブ」だという答えが異口同音に返ってきた。最近は改善されているといわれ,自分では同社車両の事故現場に遭遇したわけではないが,この薄緑と深緑の車体にも注意している。 (2001.2.16) |