姑息な動機
もっともこうしたところからだけでは,2010年の2月頃になってかかる愚行に及んだ動機を説明するには充分ではない。だが意外なところから解るものだ。
警備業界では,不法行為に及んだり不祥事を起こすなどした劣悪な警備員や警備業者の淘汰が進む一方,社会不安の増大からして,そのニーズは高まっている。また,従来であれば警備業者が手がけなかったものにも進出している。
そうした需要の中には,官公庁からもたらされるものもある。そうしたものは年度初めとなる4月から始められることが多く,その業者選定は,前年度末近くの2〜3月に行われることになるが,昨今では随意契約は少なくなっており,少なくとも形式上では入札とすることは増えている。もちろん一般競争入札といえども,それに参加する資格・条件は当然要求され,規模・実績のほか,事故・事件・不祥事がないことや法令遵守といったことがそれだ。
そうした入札結果や受託業者名などを公表する自治体も多い。東京都三鷹市の2010(平成22)年度分を対象にした「入札及び契約の過程並びに契約内容」という文書のひとつにこうしたものがあった。その一部を抜粋してみると;
件名 三鷹市立学校日直等業務(高山小、北野小、井口小)
契約方法 制限付一般競争入札
契約相手方 日本ガード株式会社 本社
東京都小平市花小金井四丁目33番5号
本部長 仁王 勝雄
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同様のものが別の「三鷹市立学校日直等業務(五小、六小、七小、中原小)」についても見られる。もともと営業所在地が1ヶ所(東京都小平市花小金井4-33-5,TEL 042-467-2411,FAX 042-467-3535)しかないにもかかわらず,わざわざ「本社」などと勿体をつけて自らを大きく見せてみたり,会社を代表する立場にないのはもちろん,その実態すら疑わしい「本部長 仁王 勝雄」なる名義でもってしているのだ。後者は,事件当時社長で現在会長である件の代表取締役・西村年博の隠蔽を謀ったものだ。
こうした姑息なやり方で市当局者の眼を欺き,事件−不法行為と,その当時の責任者が今なお居座り続けていることを隠蔽し,公共事業の入札に参加しようとしたのだ。そのためにかかる時期に一連の悪行に手を染めたのだ。
不法行為をはたらいた者が教育の場に関わることがあってはならないのはもちろんだが,それ以上に憂慮すべきは,この無法悪徳警備会社が業務受託した7小学校(三鷹市立高山小学校・北野小学校・井口小学校・第五小学校・第六小学校・第七小学校・中原小学校)の児童はもとより教職員・保護者・近隣住民らの安全だ。
おのれの悪行を棚に上げ,それを告発する言説に言いがかりをつけて刃向かうという,さらなる悪行に手を染めている無法悪徳警備会社・日本ガード(株)であるが,もともとの弊サイトや運営事業者にたいする攻撃が,所期の結果を得なかったばかりか,かえって自らの悪業を広く知らしめめることとなったため,新たなターゲットへと矛先を変えた。
その新たなターゲットはwikipediaであった。
もともとwikipediaには「日本ガード」という項目があり,それは当然ながら,岐阜県下最大の警備会社で,綜合警備保障ALSOKの連盟会社である日本ガード株式会社(にほんがーど,岐阜市茜部中島2丁目66番地-6,代表取締役社長・不破欣昭)について記述したものだ。その他にもいくつか同名・類名の企業があるものの,規模において小さく,営業地域も重ならないため,とくにその必要もないと思われてきたのか,wikipediaに記述されることもなければ,曖昧さ回避といった措置もとられてこなかった。件のヤカラは,こうした情況につけ込んできたのであった。
同項目は,2010年4月21日(水)00:33 時点で,かような追記がなされた;
日本ガードとは日本の地域密着型の民間警備会社、及びその通称である。
日本ガード(株)(にっぽんがーど)は、東京・小平市の会社。
日本ガード(株)(にほんがーど)は、岐阜市の会社。
日本ガード(株)(にほんがーど)は、徳島市の会社。
日本ガードサービス(株)(にほんがーどさーびす)は、福岡市博多区の会社。
当項では、岐阜市の民間警備会社について詳述。
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従来の記述における本題(概要)の前にかかるものを挿入したのであった。曖昧さ回避のためのページを作るでもなく,先頭にかの無法悪徳警備会社をもってきたのであった。「地域密着型の」という記述が,警備業法によって都道府県単位の営業となるべき警備業者にとって本来なら必要なものでなく,不自然であり,かの無法悪徳警備会社が「当社は、ご家庭との距離をもっと短く、地域に根ざした警備会社を目指します」とうそぶいていることと併せてみれば,偏向した,ヨリいっそうおかしなものであることが解る。もちろんこうしたことは,本来の項目内容の理解の妨げになるばかりか,wikipediaの編集に参加するにあたってのあり方からしても異常だ。しかも,業界事情を理解し公平な記述をもってする執筆者の手になるならば,まったくあり得ないものだ。
かくして,インターネット上での不都合な真実をもみ消すことに失敗した無法悪徳警備会社と件のヤカラは,wikipediaを利用し,類名の企業をだしにして,どさくさまみれ的に,自社の宣伝ならぬ宣伝をしようと企んだわけだ。何ともばかげた話しだ。そしてこうした愚行によって,利用(悪用)された類名企業が迷惑を蒙ることはもちろん,wikipediaをはじめとするweb上の情報の信用を損なうことを忘れてはならない。
これはまさにウィキペディアとweb上の情報の信用にたいする攻撃だ。
これまで述べてきたように,同社及びその関係者はwebを通じ,あるいは利用して,次々に言いがかり的に攻撃を繰り返してきたわけだが,それ以前からなされているものもある。
同社は「It's Safety」などとほざいて,ウェブサイト(http://www.nippon-guard.co.jp/)を制作しているが,これまで述べてきたような,その実態とのあまりのかけ離れぶりに,怒りを通り越して呆れ笑うしかない代物だ。これは,web上の情報の資質を低下させ,その信用性にたいする攻撃といっていい。このウェブサイトがまさに無法悪徳警備会社・日本ガード(株)が手を染めた0番目のサイバー攻撃にほかならない。
(2010.7.6)
無法悪徳警備会社・日本ガード(株)が手を染めた愚劣な蛮行をひとつ紹介しよう。
googleをはじめとする検索サイトでは,検索後を入力するときに,未変換のローマ字であっても変換後の語を推測して表したり,あわせて挿入する語を含めての候補を表示したりするといった,利便性の向上を図ったサービスを拡充させている。もちろんその一方で個人情報の過度な蒐集や利用といった問題も指摘されているが。
同社が当方に言いがかりをつけてきた頃,検索サイトで「日本ガード」と入力すると,「日本ガード 岐阜」・「日本ガード 小平」などと,同名・類名他者との区別を促すものとあわせて「日本ガード 無法」・「日本ガード 悪徳」といった候補が出るようになり,同社の悪名がいかにとどろいたかを示すものとなっていた。それらとあわせて,一時期ではあるが,「日本ガード 求人」というものも目立つようになっていた。
これは,かの無法悪徳警備会社・日本ガード(株)が,大量の求人広告をweb媒体に出したことによるものだ。同社はもちろん同名・類名の警備業者がそれほど大量の求人をすることは,あり得ないのであり,しかもかかる広告のほとんど全部が,同名・類名の事業者ではなく,件の無法悪徳警備会社のものという,異常ぶりだ。
求人広告自体も,近年では,新聞の求人欄や求人雑誌といった紙媒体ではなく,web上に移行する趨勢にある。もちろんこれは広告掲載にかかるコストが安価であることによるものだ。もっともこれには,求職者側も,有料で入手して求職することが,昨今の求職難の中にあっては,楽ではないという事情もあろう。そうしたところから,求人誌もフリーペーパーが主流になり,しかも地域・職種などで細分化されている。もっとも以前から有料の求人媒体であっても,地域・職種の細分化はみられる。たとえば,全国紙では地方本社ごとになったり,求人誌は大都市圏ごとであったり,建設職人の求人がスポーツ紙に掲出されていたり,インテリ向けのものが朝日新聞に目立ったりといった具合に。だがそれも,大雑把な区分であったり,傾向という程度であることが多い。
もっとも安価な求人方法は,ハローワークなどの公共機関を利用することだ。費用はほとんど皆無だ。その求人をweb上でも閲覧可能にできる。しかしそれでは数に限りがある。しかも求人実態−採用実績がなければ繰り返しや長期にわたっての求人は難しい。
そこで民間の求人媒体・職業紹介機関を利用することになる。それを利用するにはそれなりに費用がかかる。とはいうもののweb上での求人広告は,他の方法よりは安価であり,手軽に利用できる。そこで,求人・採用の意図にかかわらず,大量の求人広告を出したのであった。そうすることで,web上での情報を攪乱し,己の無法悪徳ぶりを,少しでも隠蔽しようと図ったのであった。
求人広告を利用したweb上での情報操作は,web上で悪名をとどろかせた企業がとる常套手段のひとつだ。
このような無法悪徳企業も,求人媒体・広告会社側からすれば,いい“お客様”というよりカモだろう。そうした求人媒体事業者は大小数多くあるが,影響力の大きいところは費用も嵩むだろう。また,そうしたところほど,なおのこと,事業者自身の社会的信用維持やコンプライアンスのために,掲載基準も厳しくなる。そうなれば,無法悪徳会社の,求人意図や採用実績のない「求人広告」をいつまでも垂れ流し的に掲載するはずはない。もっともその前に,無法悪徳会社側の広告費捻出が限界を超えるだろうが…。
求職者の中には,そうした事情を知らずに応募してしまった人もいただろう。そうした人もまた被害者といっていい。しかも一般的な,いわゆる「釣り広告」のそれよりずっとタチが悪い。無法悪徳会社のことであるから,違法行為も厭わずするような無法者であれば,選ばれて「採用」されたかも知れないが,マトモな人が,まかり間違って迷い込もうものなら,真っ先に「不採用」となっていたことは,想像に難くない。
これはまさにいわゆる「ブラック企業」の典型的な例である。無法悪徳警備会社・日本ガード(株)は,多額の広告費を費やして,自らの「ブラック企業」ぶりを自己宣伝したのであった。
(2012.2.16)
月日が経つのは早いもので,2002年12月,ウェブサイトに無法ガードマンと悪徳警備会社を掲載し始めて,丸10年が経過した。事件それ自体とその後の経過まで含めれば,この年末年始で,名実ともに10周年となる。
ところが,これより7年あまりが過ぎたところ,この業者を名乗る者が言いがかりを付けてきたので,その経過を,無法ガードマンと悪徳警備会社・続(2010.2.24),さらには本ページ・無法ガードマンと悪徳警備会社・3(2010.3.6〜)において掲載してきた。
こうした無法悪徳警備会社を弾劾するのみならず,警備業者・警備員による市民の被害防止,警備業者・警備員の資質向上を希求して,姑息な妨害を跳ね返し,これらのページを掲載し続けてきたのである。
この10年ほどの間,警備業者をめぐる情況は変化している。
一番解りやすい変化は,2005(平成17)年の警備業法の改正だろう。改正されたといっても,警備業法の基本ともいうべき(警備業務実施の基本原則)
警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。
という内容に何ら変わるところはない。もっともそれまでは第八条であったものが改正後は第十五条になっている。これは全体として条文が増えたというだけでなく,警備業の認定条件や警備業者及び警備員の条件などについての具体的明文化が進められたことによる。あわせてその資質向上を図るべく,所轄官庁である都道府県公安委員会による検定や講習などを盛り込んでいる。
所轄官庁による監督権限強化のいい機会というわけだろう。警察利権の増強という面もある。数の上では増加傾向にあった警備業者・警備員にたいして,一定の淘汰を図る方向で,機能しているようで,当面,将来的にも,その方向で進んでいくとの見方が有力だ。
こうした変化は,2000年代の前半期,国民生活センターに寄せられた警備員・警備業者についての苦情が急増したことによるとされる。明石大蔵海岸花火大会事故など,全国的に注目されたケースの影響もあろう。
警備員・警備業者に関するクレームが消費者問題になったということは,主として,警備業務を依頼する側からのものによるということになろう。自らの意志に関係なく警備業務の対象とされ,関わりを持たされる一般市民からのそれによるものではない。
こうした商業主義的立場からは,社会不安を煽り立てることを通じたマーケットの拡大と,競争原理による商品価値の向上が求められることとなり,ハイテク化と人材の高度化 二つの側面で進化する警備保障会社が出現する一方で,劣悪な警備業者・警備員がダンピングによって姑息に延命せんとしている現実がある。
さらに近年では警備業に関する研究も現れた。その先駆けになったのは田中智仁 仙台大学講師によるもので,犯罪社会学や環境犯罪学によるところから,警備業のマーケットでの地位向上に始まり,治安の一端を担う存在としての位置づけを図るという流れにあるようだ。あわせて,警備業者・警備員(劣悪なものに限らない)が置かれている情況とそれがもたらす問題についても目を向けつつあるようだ。
だが,いずれにせよ,自らの意志とは関係なく,時には意に反して,警備業者・警備員と関わりをもたらされる一般市民として,かかるものにいかに臨み,自らの安全や権利を守るかという立場からの対策は,はかばかしい進捗は見られないという,否定的現実があることから,目をそむけることはできない。
問題の所在を訴え続けることの責務は,ますます重かつ大になっている。
改めて,無法ガードマンと悪徳警備会社・日本ガード(株)を弾劾する。
(2012.12.20)